じゃぶじゃぶ


ひきずりおろしてやるんだ
空き箱のうえに胸をはって
立っているじぶんをちからまかせに
ひきずりおろしてやるんだ
そのまま地面に叩きふせてやるんだ

服をひきちぎってやるんだ
すっ裸にみっともなくしてやるんだ
暴れるようなら踏んでやるんだ
手荒におとなしくさせたあと
脳みそを取り出してやるんだ
文句言う暇など与えないんだ
素早くやるんだ

蛇口はありったけひねっておくんだ
冷たい水でじゃぶじゃぶと
脳みそをさっぱり洗ってやるんだ
なんたって長く
使ってきたものなんだから
あちこち汚れているのが
当たり前ってものなんだから

たいそうな御託を流してやるんだ
こんなに積みあげてきたんだってとことか
経験や、自信、誇りのあたりを
細かいところにこびりついた
逃げ道になるような言い訳のとこまで
指でこすって
さっぱりきれいに

つるつるのこどもみたいに戻してやるんだ
そしたらやっと
まっさら新しい服を着れるってもんだ
最後にやわらかなタオルを
ばっさばっさとぶつけてやるんだ
その隙間から顔だけだして
ごめんなさいって言えるってもんだ

















[2010/02/08 21:13] | 未分類 | page top
窓につぶやく


こちらの部屋の
窓はとってもおおきい窓
壁いちめんが
窓といってもいいくらいの窓
開放的で景色が良くて
けれどもその風景ごとが
一枚のおおきな
写真が貼られて出来ている窓

あちらの部屋の
窓はとってもちいさい窓
手のひらひとつで
容易く塞がってしまうくらいの窓
けれどもその覗ける景色は
ほんものな世界
遠く夕暮れを
鳥が横切っていくのが見える窓

どちらの部屋に住みたいかといえば
窮屈に感じても
リアルな世界を感じられるほうが
いいかなあと、まず
おもってみたりするけれど

もしも、そのおっきな風景写真を
世界中のひとがみんなして
窓に貼っているとするなら、なんだか
安心するからね
おっきな窓の部屋を
選ぶかもしれないな、と迷ってみている

泡のスプレーをかけて
せっせせっせ、拭きながら















[2010/02/01 19:57] | 未分類 | page top
天国のような(4)


天国になんかいったことないけど
まるでそいつは
街のなかにあるみたい
空想やおはなしだけのものじゃなく

雲のお城のように
浮かんでいるのでも
閉じた箱の中で固く
押し黙っているものでも
ないみたい
人と、人とのあいだで
時折すれちがっていくような
優しい、や微笑むっていう名のまるで
孤独ってやつみたい

孤独になんかなったことないけど
まるでそいつは
街のなかにいるみたい
空想やおはなしだけのものじゃなく
海深く絨毯の底に
沈んでいくものでも
閉じた箱の中で固く
押し黙っているものでも
ないみたい
人と、人とのあいだで
時折すれちがっていくような

愉しそうな話し声を、そっくり真似してみては
微笑んでいるみたい
















[2010/01/25 19:48] | 未分類 | page top
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